計算方法と出典
最終更新日:2026年11月1日
畳数表示ではなく、住まいの条件から計算する理由
カタログの「◯畳用」は、JIS(日本産業規格)で決めた平均的な住宅を前提にした目安です。国の審議会の資料でも、住宅の断熱性能が上がったことなどで、畳数のめやすが想定する冷暖房の負荷と実際の住まいとの間に、ずれが生じていると指摘されています。
そこで当サイトでは、地域・建てられた年・窓・部屋の位置などから、部屋に出入りする熱を計算し、必要な能力を求めています。
計算式
冬は部屋から逃げる熱、夏は部屋に入ってくる熱を足し合わせて、必要な能力を求めます。
暖房に必要な能力
(壁・窓・天井・床から逃げる熱 + 換気で逃げる熱)×(室温20℃ − 冬の外の気温)× 1.2
冷房に必要な能力
{(壁・窓・天井・床から入る熱 + 換気で入る熱)×(夏の外の気温 − 室温27℃)+ 窓からの日射 + 屋根からの日射 + 人・家電・調理の発熱}× 1.2
- 熱の逃げやすさは「熱の通しやすさ(U値)× 面積」で求めます。部屋は正方形、天井の高さは2.4mとみなします。
- 最後の × 1.2 は、暖房では部屋を温め直す分、冷房では湿気を取る分の余裕です。
- 用途が「冷房中心」なら冷房、「暖房中心」なら暖房、「両方」なら大きい方を満たす、いちばん小さい能力区分(2.2・2.5・2.8・3.6・4.0・5.6・6.3・7.1kW)を選びます。
- ただし、おすすめは畳数めやすの区分から1段階下までにとどめます。この計算は、外の気温が一定のときの熱の出入りを求めるもので、帰宅直後に冷やす・暖める立ち上がりや、使い方のばらつきを見込みきれないためです。国の研究機関(建築研究所)の計算では、断熱性の高い住宅で、畳数めやすより1段階小さい能力にすると年間の消費電力量が約20%減り、2〜3段階小さくすると能力が足りない時間が増えるとされています。
- 西日の部屋やLDKなどで、計算が畳数めやすより大きくなった場合は、その大きい区分をおすすめします。
- 1〜4地域で暖房を使う場合は、外の気温が低いときの暖房能力(低温暖房能力)が足りる機種だけを候補にします。
- 「分からない」と答えた質問は、標準的な条件(木造・1992〜2015年築・南向きなど)で計算します。結果ページの「計算に使った条件」で確認できます。
計算の例:築30年ほど・1階・16畳のLDK(大阪府)
西向きの大きな1枚ガラス窓がある場合、冷房に必要な能力は計算上3.5kWです。計算だけなら3.6kWクラスですが、畳数めやす(5.6kW)の1段階下の4.0kWクラスを目安にします。熱の内訳は次のとおりです。
- 窓からの日射57%2033W
- 人・家電・調理の発熱27%960W
- 壁・窓・天井・床からの熱の出入り12%410W
- 換気・すきま風4%133W
使っているデータと出典
計算に使っている係数は次のとおりです。いずれも一般的な目安にもとづく暫定の値で、今後、国の省エネ基準の資料などで確認して更新します。更新した場合は、下の更新履歴に記載します。
地域ごとの外の気温(省エネ基準の地域区分)
地域区分は、お住まいの市区町村から決めます(合併前の市町村で分かれる市は、その地区ごと)。
| 地域区分 | 冬(℃) | 夏(℃) |
|---|---|---|
| 1地域 | -20 | 29 |
| 2地域 | -15 | 29 |
| 3地域 | -10 | 30 |
| 4地域 | -6 | 31 |
| 5地域 | -3 | 33 |
| 6地域 | -1 | 33 |
| 7地域 | 1 | 33 |
| 8地域 | 8 | 32 |
建てられた年ごとの断熱の性能
U値は熱の通しやすさ(W/㎡K)。小さいほど熱が逃げにくい。換気は1時間あたりに入れ替わる空気の回数です。
| 建てられた年 | 壁 | 天井 | 床 | すきま風+換気(回/h) |
|---|---|---|---|---|
| 1980年以前 | 2.5 | 2 | 2 | 1 |
| 1981〜1991年 | 1 | 0.8 | 0.9 | 0.8 |
| 1992〜2015年 | 0.7 | 0.5 | 0.6 | 0.85 |
| 2016年以降 | 0.53 | 0.24 | 0.48 | 0.8 |
| 高断熱住宅 | 0.4 | 0.2 | 0.4 | 0.7 |
窓
| ガラス | U値 | 日射の入りやすさ |
|---|---|---|
| 1枚ガラス | 6.5 | 0.88 |
| ペアガラス | 4.65 | 0.79 |
| Low-E・樹脂サッシ | 2.33 | 0.5 |
| 窓の大きさ | 面積(㎡) |
|---|---|
| 小(腰の高さの窓が1つ) | 1 |
| 中(腰の高さの窓が2つ、または掃き出し窓が1つ) | 2.5 |
| 大(掃き出し窓が2つ以上) | 5 |
| 窓の向き | 夏の日射(W/㎡) |
|---|---|
| 北 | 100 |
| 東 | 500 |
| 南 | 250 |
| 西 | 550 |
| 2方向以上 | 550 |
部屋の中の発熱
| 部屋 | 発熱(W) |
|---|---|
| 寝室 | 150 |
| 子ども部屋・書斎 | 250 |
| リビング | 300 |
| LDK | 800 |
出典
- 国立研究開発法人 建築研究所「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」地域の区分一覧(市区町村ごとの地域区分(国土交通省告示の別表と異なる場合は告示が優先))
- 日立の家電品「エアコンの畳数の目安について」(畳数表示の前提(JISの平均的な住宅、木造・鉄筋の幅))
- シャープ「商品選びのポイント(エアコン)」(畳数表示の小さい数字(木造)と大きい数字(鉄筋)の意味)
- 経済産業省 エアコンディショナー及び電気温水機器ワーキンググループ 資料「エアコンディショナーの畳数目安、測定方法について」(住宅の断熱性能の向上と、畳数のめやすとのずれ)
- 建築研究所 平成28年度 年報「断熱化の進展による住宅の暖冷房エネルギー増加要因の解明と抑制策に関する研究」(おすすめを畳数めやすの1段階下までにとどめる根拠)
商品の価格は楽天市場から毎日1回取得し、取得した日時とあわせて表示します(Yahoo!ショッピングも追加する予定です)。型番が一致する新品の商品だけを使い、中古品・展示品・部品・保証の加入料などは除いています。
計算の限界と免責
- 部屋を正方形とみなし、窓の大きさも3段階の代表値で計算しています。実際の間取りや窓の数とは差があります。
- 庇(ひさし)・すだれ・家具の配置、周りの建物の影、日々の天気の変化などは計算に入れていません。
- 地域の気温は、市区町村ごとの地域区分の代表値です。同じ地域区分の中でも、標高や海からの距離によって実際の気温は異なります。市区町村を選ばなかった場合は、都道府県の代表的な地域区分で計算します。
- 算出結果は、入力された条件にもとづく目安です。実際の住まいの状態によって必要な能力は変わります。設置前に施工業者による確認をおすすめします。
更新履歴
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年10月29日 | 計算方法(暫定版 v0.1)にもとづく計算を公開準備 |
| 2026年10月29日 | 地域区分を都道府県単位から市区町村単位に変更 |
| 2026年11月1日 | おすすめの能力を、畳数めやすの1段階下までにとどめるように変更(建築研究所の計算結果にもとづく) |