エアコンの価格を比べるとき、「標準工事費込み」という表示をよく見かけます。ところが実際に工事をしてみると、追加の費用がかかったという話は少なくありません。

追加費用の多くは、設置場所の条件で決まります。どんなときにかかりやすいのかを知っておけば、購入前に総額の見当をつけられます。

標準工事に含まれるもの

「標準工事」の中身はお店や業者によって少しずつ違いますが、一般的には次のような条件が前提です。

項目標準工事の一般的な条件
配管の穴すでに穴がある、または木材・モルタルなど穴をあけやすい壁(1か所まで)
室外機室内機と同じ階の、地面かベランダの床に置ける
配管長さ4m以内で、テープ巻きで仕上げる
電気機種に合ったエアコン専用のコンセントが近くにある

この条件から外れると、追加工事として別に費用がかかります。

追加費用がかかりやすい8つのケース

1. 室外機を地面・ベランダ以外に置く

置くスペースがない場合は、専用の台(架台)を使った設置になり、追加費用がかかります。

  • 2段置き:ほかの室外機の上に重ねて置く
  • 屋根置き:屋根の上に台を固定して置く
  • 天吊り:ベランダの天井から台を吊り下げて置く
  • 壁掛け:建物の外壁に台を取り付けて置く

壁の強度や高さによっては、設置できない場合もあります。

2. 配管が4mより長い

1階に室外機を置いて2階・3階に室内機を付ける場合などは、配管が4mを超えやすくなります。配管やドレンホース(水を外に流すホース)を延ばすと、1mごとに料金がかかるのが一般的です。

3. 壁がコンクリートやタイル

コンクリート・タイル・レンガなどの壁に配管の穴をあける場合は、追加の費用がかかります。木造の家でも、外壁にタイルを使っている場合は同じです。

4. 古い建物で穴をあける(石綿の確認)

2006年9月1日より前に工事を始めた建物では、壁に穴をあけたり穴を広げたりする前に、石綿(アスベスト)が含まれていないかの確認が必要です。そのため、調査や対策の費用がかかる場合があります。

5. 専用コンセントがない・形が合わない

エアコンは、専用の回路とコンセントを使うのが基本です。

  • 専用コンセントがない → 専用回路を増やす工事
  • コンセントの形がプラグに合わない → コンセントの交換
  • 100Vから200Vに変えたい → 電圧の切り替え工事やブレーカーの交換

ブレーカーを増やせない場合などは、電力会社への申請が必要になることもあります。能力の大きいエアコン(14畳クラス以上)は200Vの機種が多いので、とくに注意しましょう。

今のコンセントが100Vか200Vかは、コンセントの穴の形で目安が分かります。100Vと200Vでは穴の形が違い、同じ電圧でも容量(15A・20A)によって形が変わります。ただし見た目だけで決めつけず、写真を撮って施工業者に確認してもらうのが確実です。

6. 隠ぺい配管

配管を壁の中に通す「隠ぺい配管」は、見た目がすっきりする一方で、通常より手間がかかります。古いエアコンからの入れ替えでは、配管の状態によって対応できないこともあります。

7. はしごや足場が必要な高い場所

室内機と室外機の階が違う場合や、壁掛け・天吊りなど、はしごを使う高い場所での作業は、別に料金がかかることがあります。

8. 見た目や快適さのためのオプション

必須ではありませんが、次のようなオプションを付けると費用が加わります。

  • 化粧カバー:配管を樹脂のカバーで覆って見た目を整える
  • 逆止弁:エアコンを使っていないときの「ポコポコ」という音を防ぐ
  • 防虫キャップ:ドレンホースから虫が入るのを防ぐ

古いエアコンの取り外しにかかる費用

エアコンを買い替える場合は、古いエアコンの取り外し工事に加えて、家電リサイクル法にもとづくリサイクル料金がかかります。

費用目安
リサイクル料金550円〜990円(メーカーによって違う)
収集・運搬の料金お店や業者によって違う
取り外し工事費お店や業者によって違う

新しいエアコンを買うお店に、古いエアコンの引き取りもまとめて頼むと、手続きが楽になります。

追加費用で失敗しないための4つのポイント

  1. 設置場所の写真を撮っておく:室内機を付ける壁、コンセント、室外機を置く場所、今のエアコンの配管を撮っておくと、見積もりが正確になります
  2. 標準工事の中身を確認する:配管は何mまでか、穴あけは何か所までか、お店によって違います
  3. 追加工事の料金表を見ておく:工事の当日に、現地で追加料金を支払う形のお店もあります
  4. 本体価格+工事費の総額で比べる:本体が安くても、工事費を含めると高くなることがあります

能力選びでも工事費は変わる

意外と見落としがちなのが、エアコンの能力と工事費の関係です。必要以上に大きな能力の機種を選ぶと、200Vの電源が必要になり、電気の工事が増えることがあります。

部屋に合ったちょうどいい能力を選べば、本体価格だけでなく、工事費も抑えられることがあります。能力の選び方は「エアコンのサイズの選び方」で解説しています。

まとめ

  • 標準工事は「穴あけ1か所・同じ階に室外機・配管4m以内・専用コンセントあり」が一般的な前提
  • 室外機の置き場所、配管の長さ、壁の素材、電源の条件で追加費用がかかりやすい
  • 2006年9月より前に工事を始めた建物では、穴あけの前に石綿の確認が必要
  • 買い替えでは、リサイクル料金と収集・運搬の料金が別にかかる
  • 設置場所の写真を用意して、総額で見積もりを比べるのが確実

まずは無料の診断で、部屋に必要な能力を確かめてみてください。必要な能力が分かれば、電源の工事が必要かどうかの見当もつけやすくなります。


参考