「2027年からエアコンが買えなくなる」「今のエアコンが使えなくなる」――SNSなどで、いわゆる「エアコンの2027年問題」が話題になっています。

結論からいうと、今のエアコンが使えなくなることはありません。ただ、これからエアコンを買う人にとっては、知っておきたい変化があります。資源エネルギー庁の発表をもとに、ポイントをやさしく整理します。

2027年4月から何が変わる?

2027年4月から、家庭用エアコンの新しい省エネ基準(2027年度基準)が始まります。これは「トップランナー制度」という国の制度にもとづくもので、エアコンを作って出荷するメーカーに対して、より高い省エネ性能を求めるものです。

エアコンの省エネ性能は、APF(通年エネルギー消費効率)という数字で表されます。1年間に必要な冷暖房の能力を、1年間に使う電力量で割った値で、数字が大きいほど省エネです。

6畳用(2.2kW)の場合APF
これまでの基準(2010年度基準)5.8
新しい基準(2027年度基準)6.6

当サイトが集めた大手7社の6畳用(2.2kW)70機種(2026年11月時点の現行モデルと型落ち)では、APFが6.6以上の機種は30機種でした。新しい基準の水準に届く機種は、すでに多く売られています。

よくある3つの疑問

今使っているエアコンは使えなくなる?

使えなくなりません。トップランナー制度はメーカーに適用される制度なので、家庭で今使っているエアコンを買い替える必要はありません。

修理についても、2027年度基準によって修理ができなくなることはありません。メーカーは製造が終わったあとも部品を一定期間(約10年)持っているのが一般的で、その期間は修理できることが多いです。お使いのエアコンの製造年を確認し、心配ならメーカーに問い合わせてみましょう。

安いエアコンは売られなくなる?

基準を満たさない製品の製造・出荷が禁止されるわけではありません。この制度は、メーカーがその年度に出荷した製品全体の平均で基準を満たしているかを見るしくみです。

ただし、メーカー全体で平均を上げる必要があるため、省エネ性能の低い低価格のモデルは数が減っていくのでは、という見方もあります。

エアコンは値上がりする?

国も「省エネ性能の向上にともない、販売価格が上がる可能性がある」としています。価格は省エネ性能だけでなく、素材の価格や需要と供給のバランスなどでも決まるため、どのくらい上がるかは機種やメーカーによって変わります。

電気代はどのくらい安くなる?

本体価格が上がる可能性がある一方で、省エネ性能が上がれば毎年の電気代は下がります。資源エネルギー庁の試算は次のとおりです。

機種の能力1年間の削減額約14年使った場合
6畳用(2.2kW)約2,760円約4万円
14畳向け(4.0kW)約12,600円約18万円

※ 電気代を1kWhあたり31.75円とし、JISにもとづく消費電力量で計算した値です。実際の金額は、家の環境や使い方によって変わります。「約14年」はエアコンの平均使用年数です。

今すぐ買い替えたほうがいい?

国は「今すぐ買い換える必要はない」としています。次のように、自分の状況で考えるのがおすすめです。

  • 今のエアコンが問題なく動いている → 慌てて買い替える必要はありません
  • 10年以上使っていて調子が悪い・修理の部品がなさそう → 夏や冬の本番前に、余裕をもって検討を
  • 新築や引っ越しで新しく買う → 本体価格と電気代の総額で比べて選びましょう

損をしない選び方のポイント

1. 同じ能力・同じ機能どうしで比べる

6畳用のシンプルな機種と、14畳用の多機能な機種を価格だけで比べても意味がありません。同じ能力(kW)・同じような機能どうしで比べましょう。

2. 「ちょうどいい能力」を選ぶ

大きすぎる能力の機種は、そもそも本体価格が高くなります。断熱性の高い今の住まいでは、カタログの畳数より小さい能力で足りることも少なくありません。詳しくは「エアコンの「◯畳用」は今の家に合ってる?」で解説しています。

自分の部屋に本当に必要な能力が分かれば、値上がりが心配な時期でも、むだに大きな機種を買わずに済みます。

3. 必要な機能だけを選ぶ

自動お掃除や空気清浄、加湿などの機能は便利ですが、そのぶん価格も上がります。自分の暮らしに本当に必要かを考えて選びましょう。

まとめ

  • 2027年4月から、メーカー向けのエアコンの省エネ基準が引き上げられる
  • 今使っているエアコンは使い続けられ、修理もこれまでどおり
  • 基準を満たさない製品の販売が禁止されるわけではない
  • 本体価格は上がる可能性があるが、電気代は下がる
  • 「総額」と「ちょうどいい能力」で選べば、慌てる必要はない

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参考